28.3.13

花咲か爺さん。

祖父の葬儀告別式は、庭の桃と一気に咲いた東京の桜が満開の中での催しとなった。

火葬場へ向かう時、本当に見事な桜並木を通った。
今年は例年よりも早く桜が咲いている。

荼毘に服す最後に、未完成の千羽鶴を花で飾られた柩に散らした。

彩りよく華やかにねむる祖父の柩は祖父の人生そのものだったし、祖父は花咲か爺さんだったと思った。

去り義はには日本中の花を咲かせてしまったから、ちょっと笑える。
桜の季節が来るごとに祖父を思い出してしまうだろう。
いつものとぼけた剽軽な顔で桜を咲かしている姿が目に浮かぶ。

骸となった祖父を目に焼き付けた。
骨壺に小さく納まった祖父の目鼻が残ったお骨がこちらを見ていた。
いつまでも見ていると、最後の最後まで強い意思を感じた。

独り残された祖母を大切にしながら、祖父の育てた花をこれからも咲かして行くことを誓う。
祖母には元気を取り戻して、祖父よりも長く私達といて欲しいと願う。

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